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イバン・ロドリゲス

イバン・ロドリゲス(Iván Rodríguez Torres、 1971年11月27日 - )は、プエルトリコベガ・バハ出身のプロ野球選手。ポジションは捕手。右投右打。現在はMLBワシントン・ナショナルズに所属。ニックネームは、パッジ(Pudge 「ずんぐりむっくりした体型」の意)、I-Rod。

1990年代以降のメジャーリーグを代表する捕手。捕手として2288試合出場、ゴールドグラブ賞受賞13回は歴代最多の記録である。

目次 [非表示]
1 経歴
1.1 プロ入り前
1.2 レンジャーズ時代
1.3 マーリンズ時代
1.4 タイガース時代
1.5 ヤンキース時代
1.6 アストロズ時代
2 選手としての特徴
2.1 守備
2.2 打撃
3 獲得タイトル・記録
4 年度別打撃成績
5 脚注
6 外部リンク


経歴 [編集]
プロ入り前 [編集]
アマチュアの野球選手だった父親の影響もあり、幼い頃から野球一筋だった。少年時代は投手も務めており、後にメジャーでもチームメイトとなるフアン・ゴンザレスと同じリトルリーグに所属していた。当時は直球だけでノーヒットノーランを達成するほどの豪速球を投げていたという。その後、父親の勧めで捕手に転向、捕手としてもその強肩と打撃で注目を集めるようになる[1]。

レンジャーズ時代 [編集]
1988年、16歳のときにドラフト外でテキサス・レンジャーズと契約。当時はスペイン語しか話せなかったが、英語を上達させ、それと共に成績を残せるようになった[2]。1991年6月20日のホワイトソックス戦で19歳でメジャーデビュー。ケビン・ブラウンとバッテリーを組み、盗塁を試みた走者2人とも刺すなどデビュー戦から強肩ぶりを発揮。メジャーリーグ史上最も若い捕手として一躍注目を浴びた。相手のホワイトソックスの捕手は、元祖「パッジ」のカールトン・フィスクであった。また、この日はロドリゲスの結婚式が予定されていたが、突然メジャー昇格の知らせを聞き、婚約者を連れて球場入り。ロドリゲスはそのままスタメンに名前を連ねるというハプニングもあった[1]。

翌6月21日には、当時44歳でメジャー最年長投手だったノーラン・ライアンとバッテリーを組み、19歳でメジャー最年少捕手のロドリゲスとの25歳差バッテリーとしてこちらも話題を呼んだ[3]デビュー1年目から随所に強肩強打を発揮し、新人王の投票数は4位だった。

その後はメジャー屈指の捕手として君臨。1992年、リーグ最年少の選手となり(1991年はリーグ2位)、オールスターに初めて出場し以後10年連続出場した。ゴールドグラブ賞を受賞以後10年連続受賞。1994年から6年連続でシルバースラッガー賞を受賞した。1995年、打率.303を記録し以後8年連続打率3割を達成。1996年には1930年にミッキー・カクレーンが記録した捕手のシーズン最多であった42二塁打を更新する44二塁打を記録し[4]、639打数も捕手としての大リーグ新記録となった[2]。

ロドリゲス放出の可能性があったため、球団は1997年7月29日にジム・レイリッツを獲得[5]。しかし、その2日後の7月31日に5年総額4,200万ドルで契約延長[6]。そのため、レイリッツは移籍後捕手としての出場は11試合にとどまり、シーズン終了後にボストン・レッドソックスへ放出した。ロドリゲスはこの年、打率.313・20本塁打はともに自己最高となった。

当時チームには同郷のフアン・ゴンザレスも在籍しており、2人を中心としてチームは1996年、1998年、1999年と3度の地区優勝を果たした。1997年にゴンザレスがウィンターリーグで故障したため、球団から出場を禁止されたが、反発し出場した[2]。1998年は5月9日まで打率4割を維持し、その後も首位打者争いをしたが、シーズン終盤に失速し最終的にリーグ8位の.321に終わった。1942年のアーニー・ロンバルディ以来となる捕手としての首位打者とはならなかった。

1999年に打率.332・35本塁打・113打点・25盗塁という成績を残し、アメリカンリーグMVPを受賞した。2000年には91試合を出場した時点で打率.347・27本塁打・83打点と前年を上回る成績を残していたが、7月24日のエンゼルス戦で、盗塁を刺そうとした際に右手親指を打者のバットに当ててしまい、故障者リスト入りでシーズンを終えることとなった。2001年にはアレックス・ロドリゲスがチームに加入し(I-Rodという愛称は、同じくロドリゲスという姓であるアレックスの愛称A-Rodと共にこの頃つけられた)、リーグ優勝への期待が高まったが、逆にチームは低迷。2001年、2002年と自身も故障が続き、好成績は残すもののシーズンを通して出場することが出来なかった。

マーリンズ時代 [編集]
2003年、FAを取得しフロリダ・マーリンズに移籍。若い選手が多い中でベテランとしてチームをまとめ、チームのワイルドカード獲得の原動力となった。プレーオフ1回戦のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦では、2勝1敗で迎えた第4戦での9回表、1点差に迫られたシーンで、ヒットで生還しようとしたJ.T.スノーに吹っ飛ばされながらも、ホームを死守。チームもこのまま逃げ切り、リーグ優勝決定戦に駒を進めた。シカゴ・カブスとのナショナルリーグ優勝決定戦では、4勝3敗と僅差でこれを下し、自身も2本塁打・10打点という活躍で、MVPを獲得した。ワールドシリーズではニューヨーク・ヤンキースを4勝2敗で下し、メジャー13年目にして悲願のチャンピオンリングを手に入れた。

タイガース時代 [編集]

タイガース時代2004年2月2日、1年限りでマーリンズを離れ、4年契約でデトロイト・タイガースに移籍[6]。移籍1年目に打率.334・19本塁打・86打点と好成績を残し、3年ぶりにゴールドグラブ賞を受賞。翌2005年はオールスターゲーム前日に行われたホームランダービーではボビー・アブレイユに次ぐ2位となったが[6]、レギュラーシーズンは打率.276・14本塁打・50打点と低迷、出塁率もデビュー以来となる3割を切ることとなった。同年にはホセ・カンセコが出版したステロイドに関する暴露本において、ラファエル・パルメイロ、フアン・ゴンザレスと共に、1992年にカンセコからステロイドを紹介され、使用していたと名指しされたが、本人は一切のステロイドの使用を否定している[7]。なお、ロドリゲスと一緒にカンセコからステロイドを紹介されたとされるパルメイロとゴンザレスも、暴露本出版当時はステロイド使用を否定していたが、前者はその後薬物検査で陽性反応を示し、ミッチェル報告書にも記載された。後者もミッチェル報告書に記載されており、両者のステロイド使用は限りなく黒に近い灰色である。

2006年、ワールド・ベースボール・クラシックのプエルトリコ代表に選出される。シーズンでは打率を3割にのせ、チームのリーグ優勝に貢献し、若い投手の力を引き出し堅い守りを評価され[8]、2年ぶりにゴールドグラブ賞を受賞。一方でメジャー16年目にして初めて捕手のほか一塁、二塁の守備につき、一塁では55イニングと63度の、二塁では2イニングの出場と1度の守備機会をそれぞれ記録した。

2007年は捕手に専念し、129試合に出場(捕手としてプレーしたのは127試合)。2年連続となる13度目のゴールドグラブ賞を獲得したものの、盗塁阻止率は自己ワーストとなる30.9%、打撃も精彩を欠いた。また、7月3日のインディアンス戦で、ボブ・ブーン(2225試合)、カールトン・フィスク(2226試合)、ゲーリー・カーター(2056試合)に続き、史上4人目となる捕手として2000試合出場を達成。チームも序盤は好調を維持したものの終盤で失速、ヤンキースにワイルドカードを奪われ、プレーオフ進出はならなかった。2007年10月9日、タイガースは年俸1,300万ドルのオプションを行使し2008年の残留が決まった[9]。

ヤンキース時代 [編集]

ヤンキース時代2008年7月30日、カイル・ファーンズワースとの交換トレードでニューヨーク・ヤンキースに移籍した[10]。ケガで離脱したホルヘ・ポサダの穴埋めとして獲得されたが、ホセ・モリーナらとの併用が殆どで、代打起用も多かった。

2008年シーズン終了と同時にフリーエジェントとなった。

アストロズ時代 [編集]
2009年、第2回ワールド・ベースボール・クラシックのプエルトリコ代表に選出され、チームは決勝トーナメント進出を逃したが、攻守にわたって活躍した。3月20日にヒューストン・アストロズと年俸150万ドル+出来高150万ドルの1年契約を結んだ[11]。6月17日に捕手としての2227試合に出場し、カールトン・フィスクのメジャー記録を更新[12]。8月18日、マイナー2選手との交換でテキサス・レンジャーズへ復帰。

選手としての特徴 [編集]

アストロズ時代 守備 [編集]
捕手として史上最多のゴールドグラブ賞13回を受賞しており、名捕手ジョニー・ベンチの再来といわれる[1]。テキサス・レンジャーズ時代の監督だったジョニー・オーツは、「ベンチは強肩だったが、彼ほど正確ではなかった。ブーンは正確だったが、彼ほど強肩ではなかった。つまり私が見てきた中で最高の強肩捕手はロドリゲスだ」としている。[13]彼の守備の特徴は走者が一塁に出ているときでさえ必ず牽制をしているというところや、生来の強い肩に加えて捕球してから次動作に短時間で移れるところである。座ったまま強烈な送球を一塁や二塁に送り走者を刺すプレーも見せる。2001年には盗塁阻止率.603を記録した。また小柄な体を生かしてフットワークが異常に良く、捕球が困難なキャッチャーフライなどにもすばやく反応できる。

近年は故障がちでシーズンを通しての出場が難しくなった。また盗塁阻止率の低下やパスボールの増加など、攻守共に往年ほどの働きは見られなくなっている(といってもいまだ一線級)。しかし長年の経験からリード面では円熟味が増しており、若い投手のまとめ役としてチームにとってなくてはならない存在である。

打撃 [編集]
シルバースラッガー賞7回、通算打率も3割前後を誇る。どちらかといえばラインドライブで外野手の間を抜く打者で、右中間へパワーのある打球を放つ[14]。一方、早打ちでどんな球でも振っていくため、四球は非常に少ない。2005年および2007年の四球数は規定打席到達者の中でメジャー最少。これに加え右打者でもあることから併殺打が非常に多く、現役選手では最多の通算併殺打数を記録している。

獲得タイトル・記録 [編集]
アメリカンリーグMVP 1回:1999年
ナショナルリーグ優勝決定シリーズMVP 1回:2003年
シルバースラッガー賞 7回:1994年 - 1999年、2004年
ゴールドグラブ賞 13回:1992年 - 2001年、2004年、2006年 - 2007年
MLBオールスターゲーム選出 14回:1992年 - 2001年、2004年 - 2007年
WBC優秀選手 1回:2009年
年度別打撃成績 [編集]

度 球
団 試
合 打
席 打
数 得
点 安
打 二

打 三

打 本

打 塁
打 打
点 盗
塁 盗

死 犠
打 犠
飛 四
球 敬
遠 死
球 三
振 併

打 打
率 出

率 長

率 O
P
S
1991 TEX 88 288 280 24 74 16 0 3 99 27 0 1 2 1 5 0 0 42 10 .264 .276 .354 .630
1992 123 454 420 39 109 16 1 8 151 37 0 0 7 2 24 2 1 73 15 .260 .300 .360 .660
1993 137 519 473 56 129 28 4 10 195 66 8 7 5 8 29 3 4 70 16 .273 .315 .412 .727
1994 99 405 363 56 108 19 1 16 177 57 6 3 0 4 31 5 7 42 10 .298 .360 .488 .848
1995 130 517 492 56 149 32 2 12 221 67 0 2 0 5 16 2 4 48 11 .303 .327 .449 .776
1996 153 685 639 116 192 47 3 19 302 86 5 0 0 4 38 7 4 55 15 .300 .342 .473 .816
1997 150 648 597 98 187 34 4 20 289 77 7 3 1 4 38 7 8 89 18 .313 .360 .484 .844
1998 145 617 579 88 186 40 4 21 297 91 9 0 0 3 32 4 3 88 18 .321 .358 .513 .871
1999 144 630 600 116 199 29 1 35 335 113 25 12 0 5 24 2 1 64 31 .332 .356 .558 .914
2000 91 389 363 66 126 27 4 27 242 83 5 5 0 6 19 5 1 48 17 .347 .375 .667 1.042
2001 111 470 442 70 136 24 2 25 239 65 10 3 0 1 23 3 4 73 13 .308 .347 .541 .888
2002 108 440 408 67 128 32 2 19 221 60 5 4 1 4 25 2 2 71 13 .314 .353 .542 .895
2003 FLA 144 578 511 90 152 36 3 16 242 85 10 6 1 5 55 6 6 92 18 .297 .369 .474 .843
2004 DET 135 575 527 72 176 32 2 19 269 86 7 4 0 4 41 6 3 91 15 .334 .383 .510 .893
2005 129 525 504 71 139 33 5 14 224 50 7 3 1 7 11 2 2 93 19 .276 .290 .444 .734
2006 136 580 547 74 164 28 4 13 239 69 8 3 4 2 26 4 1 86 16 .300 .332 .437 .769
2007 129 515 502 50 141 31 3 11 211 63 2 2 1 2 9 1 1 96 16 .281 .294 .420 .714
2008 82 328 302 33 89 16 3 5 126 32 6 1 3 2 19 1 2 52 9 .295 .338 .417 .755
NYY 33 101 96 11 21 4 0 2 31 3 4 0 0 0 4 1 1 15 6 .219 .257 .323 .580
'08計 115 429 398 44 110 20 3 7 157 35 10 1 3 2 23 2 3 67 15 .276 .319 .394 .713
2009 HOU 93 344 327 41 82 15 2 8 125 34 0 2 1 2 13 0 1 74 13 .251 .280 .382 .662
TEX 28 104 98 14 24 8 0 2 38 13 1 0 0 1 5 0 0 18 7 .245 .279 .388 .667
'09計 121 448 425 55 106 23 2 10 163 47 1 2 1 3 18 0 1 92 20 .249 .280 .384 .663
通算:19年 2388 9712 9070 1308 2711 547 50 305 4273 1264 125 61 27 72 487 63 56 1380 306 .299 .336 .471 .807

2009年度シーズン終了時
各年度の太字はリーグ最高
脚注 [編集]
^ a b c オールスターで共演!イチローも認める強肩ロドリゲスとは? 2008年1月15日閲覧.
^ a b c 鉄矢多美子「イバン・ロドリゲス[レンジャーズ] 大リーグ・ナンバーワン捕手が目指す新たなる勲章」『月刊メジャー・リーグ』1998年9月号、ベースボールマガジン社、1998年、雑誌 08625-8、10項 - 16項。
^ June 21, 1991 Texas Rangers at Chicago White Sox Box Score and Play by Play - Baseball-Reference.com 2008年1月15日閲覧.
^ "Career biography (1996)". 2008-1-15 閲覧。
^ 「30球団マンスリー・リポート テキサス・レンジャーズ/自己最高の盗塁阻止率51.3%! ロドリゲス6年連続のGグラブ賞の快挙」『月刊メジャー・リーグ』 1998年1月号、ベースボールマガジン社、1998年、雑誌 08625-1、93頁。
^ a b c "The Ballplayers - Ivan Rodriguez Chronology" (英語). BaseballLibrary.com. 2008年7月14日 閲覧。
^ Rodriguez Denies Using Steroids CBS News(2005/02/08)
^ 友成那智、村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2007』 廣済堂出版、2007年、134項。ISBN 978-4-331-51213-5。
^ "Tigers exercise option on Pudge for '08" (英語). MLB.com. 2008年7月14日 閲覧。
^ "Yankees fill need, acquire Pudge New York trades reliever Farnsworth for 14-time All-Star". MLB.com. 2008年8月1日 閲覧。
^ "Pudge, Astros make deal official Rodriguez expects to be in uniform vs. Nationals on Sunday". astros.com. 2009年3月21日 閲覧。
^ McTaggart, Brian (2009年6月17日). "Pudge sets record for games caught" (英語). MLB.com. 2009年6月21日 閲覧。
^ 福島良一『素晴らしいアメリカ野球』 光文社 249ページ
^ 「イバン"パッジ"ロドリゲス」月刊スラッガー2004年3号 8~11頁


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